白夜の女騎士@Bunkamuraシアターコクーン

14:00/2階C列


瞬きをしないほどにしっかり観てきました。
最後が2階席でよかったかもしれない。真正面から全部を観られたし、ひたすら上を見つめるサスケの表情が本当に綺麗だったから。
今日の出来は、もちろん100%ではなかった。
でも、サスケのセリフはわたしが観た中で一番心がこもっていました。
そのことに本当に心から感動したし、昔あんなに弱かった人がここまで精神的に強くなれるんだってすごく誇らしかったです。
彼の良さは、全部の動作に感情がついてまわるところだと思います。観てる人を惹き付けて巻き込むほどの。
今日はそれが本当に良く出ていたと思う。今日観られてよかった。




今回5回観劇しましたが、はっきり理解はできていません。
野田さんのこの戯曲には何重にも意味があるように思えて来るし、考えれば考えるほどわからなくなるのです。
蜷川さんはテロリストによる変革の物語だと解いています。
でもそこを強調されている今回の演出を観ても、現代を生きるわたしの目には、まさかの友との友情のほうがよっぽど大事な“本能”にみえてしまう。20年前に戯曲を書いた野田さん、変革の時代を肌で感じて来た蜷川さん、平和な時代に生きる松本さん。それぞれにきっと見え方は違うだろうし、だからこんなに「面白い」と思わせる作品なんだと思います。...なんて、偉そうに言ってるけどわからないことは未だにたくさんありますけどね(笑)


今、松本くんはいろんな面で余裕がないと思います。舞台上でも全身からそれがひしひし伝わって来て痛々しいほどに。
でも、そこにこそ意味があるのかなあ、と思っています。
蜷川さんが“今を象徴する存在”の松本さんを使った意味が。“ダメになる前に俺と仕事しよう”の意味が。


少年は非行から飛行への中継点だ。


あと3回、無事に幕が開いて、笑顔でとじてくれるのを祈るばかり。