マリー・アントワネット

監督/脚本:ソフィア・コッポラ 07年1月20日公開

待望のソフィアの新作!
ため息が出るほど、かわいいドレスと靴(マノロ・ブラニク!)とスイーツがどんどん出てきて、モダンでヴィヴィッドな色の洪水。女子ならキュンとくる要素が山盛り。見てるだけで幸せになるくらいです。
マリー役のキルスティン・ダンストは、「ヴァージン・スーサイズ」にも出ていましたが、写真でみるよりもスクリーンの中の方がキラキラと魅力的で、とってもかわいい。孤独を抱えたマリーがぴったりでした。そして、ルイ16世役のジェイソン・シュワルツマンが、わたしの思い描いていたルイ像そのまますぎて、笑えました。嵌り役!デュ・バリー夫人役のアーシア・アルジェントもピッタリでした。フェルゼンにほぼ無名のジェイミー・ドーナンなどキャスティングがすごく良かった。
ソフィアの描く「マリー・アントワネット」では、14歳で嫁ぎ、18歳で王妃になった“女の子”の心の揺れが物語のメイン。遠い昔の、しかも外国が舞台なのに、すごく共感できるのはそれ故かもしれません。
ただ、それだけにソフィアに向いているのはやっぱり現代の等身大の女の子を描くことなんじゃないかな、とも思います。でも、それを抜きにしても2時間充分に楽しめる映画です。過剰なところもあったけど、音楽も常連のアーティストを起用して華やかさが増していました。サントラ欲しい!
あとは個人的に「ベルばら」にかなりの思い入れがあるので、違った意味でも楽しめましたw どこかでソフィアも言っていたけど日本の女の子は池田理代子さんの「ベルサイユのばら」にすごく親しみがあるじゃないですか。だからきっとどこの国よりもマリー・アントワネットへの親しみも深くて、しかもあまり悪いイメージは持っていないと思う。そのイメージが、この映画を観る上でギャップなく入っていける要因にもなっているんじゃないかな。それに、ベルばらの絵柄が人物像についての“先入観”になっていたのですが、これがまたキャスティングが漫画とぴったりなのねー(ソフィアはもちろん漫画なんて知らないから比較することじゃないんだけどw)。あの漫画はすごい。かなり歴史に忠実なことを実感しました。そういう意味でも日本の女子は、絶対気になる映画だと思うし、公開規模もかなりデカイし、きっとヒットする…といいなあ!