白夜の女騎士@Bunkamuraシアターコクーン

19:00の部を観てきました。
以下軽くネタバレしてます。そして無駄に長いです。



観終わってどっと疲れる。
でもそれは、悪い意味じゃなくて、とにかく作品と役者から発せられるエネルギーが半端じゃなく凄くて圧倒されるというか。
内容は、やっぱり凄く難解で、正直なところわからないまま終わってしまうっていう感じなんですけど、事前にニーベルングの指環を読んで予習していった分、「この神話がここの展開に使われてるんだー」って気づいたりして面白かったし、時間があるなら予習していったほうがいいかも。
開演前から劇場内は独特の雰囲気に包まれていて、出演者が自由に歩き回ったり蜷川さんが普通に客席にいたり。間近で観た杏ちゃんはすごくキレイでした。
開演時間になってゆっくり出演者がはけると、いきなり冒頭の小人たち登場のシーンになります。この始まり方がすごくツボ。いきなり鳥肌。
さてさて、肝心の空飛びサスケですが*1…目力が凄い。
このひとは本当に目の表情がうまいなーと思って。パーツが大きいから表情が舞台上でもしっかり伝わるんですよね。サスケの強さも弱さも、お芝居での表現が抜群に巧くなっていてビックリしました。サスケの無垢で純粋な感じが自然に出ていたし、ただ立っている姿も凄く頼りなくて儚くて今にも壊れてしまいそうで、でもそこに立っていられる強さはしっかり持っていて。その姿にライトが当たっているのが泣きたくなるくらい綺麗でした。
まさに『綺麗』なんですよねえ…華奢なとことかも少年ぽくて良いし。…褒めすぎか?
その後の信長(勝村さん)とのシーンが一番多いんですが、勝村さんはやっぱりうまいなーって感じました。声が違う。勝村さんとは笑いもあるし、面白い絡みがいっぱい観られますよ。笑ったし。
そしてフライング。WSで観るよりもなによりも素晴らしかった。
フライングというか『棒高跳び』なんですけど、とにかくそのシーンは圧巻です。わたし絶対口開いてたし!それくらい魅入ってしまいました…すごい。
(凄いとしかいえない語彙のない自分が恨めしい)
松本さんは、徐々に声が掠れてきてるんですけど、エデンのときもそのまま乗り切ったし案外今くらいの状態のまま楽まで行けるんじゃないかな、と思います。滑舌は良くなってるし掠れても持ち直すことができるようになった、というか。ほんとに松本さんは日々進歩するひとだよ…感動しました。ときどきドキッとするような言い回しと声色だったりして、欲を言えば最高の声の状態で全部みたいっていうのが本音のところですけどね。そういうところが舞台役者としてはまだまだなんでしょうけど…でもこの体当たりの姿勢には拍手です。
その姿を観てるから、カーテンコールでの放心した感じはちょっとグッとくるものがありました。2回目だかに、勝村さんと杏ちゃんと松本さんだけでてきたときに、松本さんと勝村さんがニコニコ見つめあいながら手繋いででてきて、(ほっとかれてる杏ちゃんがかわいそうだった)日々仲良くなってるらしくて微笑ましい光景でした。

コクーンは思っていたより狭い劇場で、わたしはF列の最端だったのですがちゃんと舞台全体が見渡せて観易かったです。そうそう、新感線のいのうえさんが来ててビックリしました!山口さんつながり??

観終わったあとは何も考えられなくなって、帰りの電車で考えを巡らせて悶々としてしまいましたが、これも次観たときちょっとでも晴らせればいいなあ。
どんどん魅力に嵌って、もっともっと知りたくなるそんな作品です。
回数観られることを幸せに思いつつ…


*1:贔屓目なのは大目にみてください